【お芋文庫】「有名な無名人」

無名で居たい!と
願った男が居た。

彼は、いたるところで
そのことを主張し続けた。

友人・知人の前だけでならまだしも、
「僕は無名で居たいんです!!」と
街頭演説まで始めてしまった。
テレビにも出たりした。
それほどまでに、彼は無名で居たかったのだ。

彼はまたたくまに有名になってしまった。
こんなはずじゃなかった。