『有線携帯電話』というのが販売された。
家の壁に付いている専用ジャックに繋いだ線が
携帯電話の通話口の下にくっついていて
線があるおかげで通話が途切れることもないし
充電が切れてしまうなんてこともない。
これはとても便利だ!と、多くの人が有線携帯電話に買い替えた。
流行に乗り遅れてはいけない!と若者たちもみんな買い替えたし、
おじいさんやおばあさんも「線が付いているなら無くさなくていいねえ!」とこぞって買い替えた。
有線電話を持ち歩くと、当然線が絡まる。
ビルや電柱や山やテレビ塔に引っ掛かり
線がどんどん絡まっていく・・・と思いきや、
人々の頭上に、編み物ができあがっていったのである。
やがてその星は編み物で覆われた。
電話線で編まれた編み物に包まれると
保温と保湿効果があって、なかなか良い感じだったそうな。