【お芋文庫】「彼にとって「夢」とは」

ぼんやりと山道を歩いていた。
木々のざわめきと、小鳥のさえずりぐらいしか聞こえない。
静かな山道をポツポツと歩く。
しばらく歩いていると、
拡声器を使って叫んでいるような声が聞こえてきた。
歩けば歩くほど、その声が近くなってくる。
何やら、夢について熱く語っている声だった。

「夢は見るものじゃない!」

と、彼は叫ぶ。

「夢は叶えるものなんかでもない!!」

と、更に熱く彼は叫ぶ。

「夢は、食べるものだ!!!」

拡声器を手に、熱く語る彼はバクだった。