【お芋文庫】「ひとつぶの雨」

とっても良いお天気の日、
夕方頃、たった一粒だけ、雨が降った。
ほとんど誰も、その一粒の雨には気がつかなかった。
「今日は良いお天気だね」と
誰もが言いあうようなお天気だった。

その、たった一粒だけ降った雨を
頭からビッシャリかぶった蟻が居た。
そいつはその日の日記帳に
「今日は、バケツをひっくりかえしたような
ものすごい雨だった。」と書き記した。