お芋文庫 「ジュウゴの値引き」
臨時収入が入った。
結構な額だった。
これはひとつ、自分へのご褒美に
何か大きな買い物でもしよう!と思い立った。
僕は高級家具店に行った。
すごくオシャレで機能性もあって
こんなテーブルセットを家に置いたら
とっても優雅な暮らしができるだろうな・・・と容易に思い描けるような
素敵な素敵なテーブルセットを見つけた。
販売員もそのテーブルセットがイチオシだと言った。
でも素材がとてもいいものであるが故、
価格がとんでもなく高くて、なかなか売れないのだとも言った。
これは僕が買うしかないと思った。
「これ、ください。」というと販売員は嬉しそうな顔をした。
「ありがとうございます!お客様、今回は特別に、
定価からさらにジュウゴ、お値引きさせて頂きます!」
と言いながら、販売員は両方の手のひらを開いて見せたあと、
左手を下ろし右手を更にパっと開いて「15」という数字を表した。
15万も引いてくれるのか。これはいい買い物をしたぞ!と
僕はとても嬉しい気持ちで帰宅した。
後日、通帳を見ると、確かに、定価から15円、引いてある金額が引き落とされていた。
そうだ。販売員はジュウゴって言っただけだった。
15万とは一言も言ってなかった・・・。
テーブルセットはとてもいいものだ。
僕はいい買い物をしたんだ!と思い続けることにした。
泣かないもん。男の子だもん。
【振り返りメモ】
デパートに行った時に、本当にこういう感じで値引きの話をしている光景を見て、「万」がつくんだろうけど、つかなかったりして。とか想像してしまいまして、書きました。
15万円の値引きを期待するってことは、相当高額のテーブルセットですね!
